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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻7号

1986年07月発行

文献概要

特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (6) 学術展示

Rayleigh均等よりみた中心性脈絡網膜症における赤および緑錐体の障害程度の比較

著者: 神立敦1 北原健二1 松崎浩1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学眼科

ページ範囲:P.782 - P.783

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 緒言 一般に,中心性漿液性脈絡網膜症においてはType IIIの後天性色覚異常がみられる1).すなわち,青黄軸の色相混同があり,Rayleigh均等は赤側に移行する.この赤側への移行は真の第1異常とは異なることからpseudo-protanomalyといわれ,その成因として,receptorの吸収過程の異常,または"red sensitive"mechanismが"green sensitive"mechanismより障害されやすいことなどが考えられていた.しかしながら,近年Smithら2)はextended Rayleigh均等およびStiles-Crawford効果の測定結果から,この赤側への移行は視色素のoptical densityの減少,すなわち網膜の漿液性剥離による視細胞のdisorientationによるものとした.
 前回3),我々は本症におけるanomaloscopeの混色目盛の赤側への移行の度合いに着目し,上述のopticaldensityの減少の理論に基づき,赤および緑錐体が同程度に障害されたものと仮定して,そのoptical den-sityの減少率を算出した.今回は,anomaloscopeにおけるRayleigh均等値の混色目盛と単色目盛の両者の値を考慮し,赤および緑錐体の障害程度を比較検討することを試みた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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