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臨床報告
視力・視野障害を初発症状とした脊索腫の2例
著者: 島田茂明1 後長道伸1 調枝寛治1 大田正博2 迫田勝明2 魚住徹2
所属機関: 1広島大学医学部眼科 2広島大学脳外科
ページ範囲:P.823 - P.829
文献購入ページに移動症例 1 38歳男子は右眼耳側の半盲性暗点,症例2 65歳男子は左眼下方の半盲性暗点を認めた.2例とも頭部単純X線撮影とCTにより,トルコ鞍部にchordomaに特徴的な所見が認められ,経蝶形骨洞腫瘍摘出術を行った.症例1は腫瘍はほぼ全摘出可能であったため,術後の視機能に改善がみられたが,約1年後再発し視機能は再び悪化した.症例2は腫瘍部分摘出にとどまり,術後の視機能は悪化した.
Chordomaは骨を破壊しながら進展する腫瘍であり,放射線感受性も低いため,良好な視機能の回復のためには,完全摘出が可能な早期に発見することが重要と考えられた.
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