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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻8号

1986年08月発行

文献概要

特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (7) 学会原著

輻輳過多型内斜視に対するFaden手術

著者: 木井利明1 中川喬1 森繁樹1 梅本亨1 中井秀樹2

所属機関: 1札幌医科大学眼科学教室 2小樽市中井眼科

ページ範囲:P.865 - P.868

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 術前遠近斜視角差が10 prism diopter(PD)以上ある輻輳過多型内斜視25例に対し内直筋Faden手術を行い,両内直筋後転術を行った25例と比較検討を行った.また,内直筋Faden手術後の4例にEOG検査を行い,以下の知見を得た.
 ①内直筋Faden手術は両内直筋後転術にくらべ,輻輳過多型内斜視の遠近差の矯正に効果が大きかった.
 ②Faden手術による遠近差の矯正効果は約12〜13PDであった.
 ③術前の近見斜視角の大きいもの,および遠近斜視角差の大きいものにFaden手術の矯正効果が大きかった.
 ④Faden手術両眼施行群と片眼施行群との間に矯正効果の大きな差はなかったので,まず,片眼Faden手術を試みるべきであると考えた.
 ⑤Faden手術後の内転時衝動性眼球運動最大速度は,手術眼と非手術眼に大きな差がなかった事より,Faden手術は著明な麻痺を作る事のない安全な手術法と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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