icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻8号

1986年08月発行

文献概要

特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (7) 学会原著

立体視成立時間と輻輳運動の関係について

著者: 近江栄美子1 乾敏郎2

所属機関: 1近江眼科 2京都大学文学部心理学教室

ページ範囲:P.869 - P.872

文献購入ページに移動
 赤外線眼底ハプロスコープを用いて,ランダムドットステレオグラム(RDS)の立体視成立時間と視差の関係について検討した.まずRDS呈示後,立体視成立までの反応時間を,9歳〜14歳の正常小児および正常成人に対して測定を行った.その結果,①視差が大きいほど立体視成立に要する時間は長かった.②8'以下では,立体視成立に差は見られなかった.③正常の成人の場合,凹図形の32'では約半数のものしか正答できなかった.
 次に,RDSを5秒間呈示し,被験者に奥行きおよび形を答えさせた.その結果,奥行きだけ正答する場合の方が,形だけ正答する場合より多かった.また,奥行きの方が速く処理される傾向にあった.以上の結果から,輻輳運動によって視標を探索する際,大まかな奥行きが手がかりとなっていることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら