文献詳細
特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (7)
学会原著
文献概要
いわゆる定型杆体一色型色覚の1例についてその視覚特性を種々の心理物理学的検査法を用いて検索した.
その結果,色相配列検査では,主としてスコトピック軸の著しい混同がみられた.アノマロスコープならびに暗順応下,明順応下視感度測定ではともに正常者の暗所視比視感度特性類似のパターンを呈し,いかなる錐体系の反応も検出されなかった.しかしながら,スタイルズ・クロッフォード効果測定では,暗順応下においてみられなかった本効果が,明順応下では明らかに示された.さらに,暗順応測定では二つの成分が検出された.
以上の結果から,本症例においては杆体以外に,錐体類似の形態をもつ光受容器の存在が示され,両受容器ともにロドプシン類似の分光特性をもつ視色素を有すること,また異なる暗順応機構の存在が示唆された.これらの結果は視力障害を伴った先天性色覚異常の鑑別診断上有用と思われる.
その結果,色相配列検査では,主としてスコトピック軸の著しい混同がみられた.アノマロスコープならびに暗順応下,明順応下視感度測定ではともに正常者の暗所視比視感度特性類似のパターンを呈し,いかなる錐体系の反応も検出されなかった.しかしながら,スタイルズ・クロッフォード効果測定では,暗順応下においてみられなかった本効果が,明順応下では明らかに示された.さらに,暗順応測定では二つの成分が検出された.
以上の結果から,本症例においては杆体以外に,錐体類似の形態をもつ光受容器の存在が示され,両受容器ともにロドプシン類似の分光特性をもつ視色素を有すること,また異なる暗順応機構の存在が示唆された.これらの結果は視力障害を伴った先天性色覚異常の鑑別診断上有用と思われる.
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