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脈絡膜病変を合併した眼部帯状ヘルペスの1例
著者: 岩元義信1 松村絹子1 平山善章2
所属機関: 1大分県立病院眼科 2長崎大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.945 - P.948
文献購入ページに移動症例 は基礎疾患を何ら有しない62歳男性で,特徴的な顔面の皮疹,表層性角膜炎,虹彩萎縮を伴った虹彩毛様体炎,続発緑内障に加えて,発症2カ月後に眼底に散在性の滲出斑が出現し,しだいに拡大した.検眼鏡および蛍光眼底造影において,病巣内に脈絡膜血管が認められ,網膜色素上皮とともに脈絡膜毛細血管板にも萎縮が存在することが示された.病変の主座は脈絡膜毛細血管板を中心とした脈絡膜と思われたが,その原因がウイルスによる直接的炎症なのか,血管炎による循環障害が主体なのかは不明であった.
眼部帯状ヘルペスにおいては,眼球摘出を余儀なくされる重症例でなくても脈絡膜病変を合併しうることが示された.
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