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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻8号

1986年08月発行

文献概要

臨床報告

眼動脈と黄斑部眼底の先天異常を伴う筋緊張性ジストロフィ

著者: 真舘幸子1 矢野裕美1 島孝仁2 内山伸治2

所属機関: 1石川県立中央病院眼科 2石川県立中央病院神経内科

ページ範囲:P.949 - P.953

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 一過性左視力消失を契機に診断された筋緊張性ジストロフィの35歳男性例を報告した.眼症状として,両黄斑部異常,非特異的で極く軽度の両白内障,両低眼圧,左眼瞼下垂,左乾燥性角膜炎,左瞳孔反射異常および左外斜視があった.左眼底では中心窩反射,黄斑輪状反射および黄斑部暗黒斑を欠き,黄斑部に相当する部位には検眼鏡で白色線条を伴った帯状黄色部がみられ,蛍光眼底造影ではwindow defectおよび網状のblockによる低蛍光が認められた.さらに左眼には黄斑部動脈走行異常および非定型的脈絡膜欠損が合併していた.右眼の中心窩反射および黄斑部暗黒斑は同定可能で,網膜血管の異常はないが,黄斑輪状反射は不鮮明であり,点状の低蛍光および過蛍光がわずかにみられた.本症例では眼以外の先天異常として,頭蓋骨肥厚,,トルコ鞍狭小,高口蓋,漏斗胸,潜在性二分脊椎および左眼動脈低形成が確認された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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