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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻8号

1986年08月発行

文献概要

臨床報告

眼内レンズ固定機構と血液房水柵機能(続報)

著者: 三宅謙作1 前久保久美子1 朝倉当子1

所属機関: 1湘山会眼科三宅病院

ページ範囲:P.967 - P.971

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 我々は水晶体嚢内および毛様溝固定の後房レンズ(PCL),開放型および閉鎖型loopの前房レンズ(ACL)の4群の固定方法の血液房水柵に対する影響を,細隙灯式fluorophotometryを使用して検討した.平均術後1.1年では閉鎖型,あるいは長方形型loopのACLが他の型の眼内レンズ(IOL)より,有意に高い血液房水柵の破壊を示した.毛様溝固定のPCLは水晶体嚢内固定のPCLと比較し,有意に高い柵破壊を示した.水晶体嚢内固定のPCL以外の全ての固定方法は,IOL挿入のない無水晶体眼と比べ,有意に高い柵破壊を認めた.平均術後3.2年では,2群のPCLはIOLの挿入のない無水晶体眼と比べ,有意な柵破壊を認めなかったが,毛様溝固定の群には,相当な柵破壊を示す症例が含まれた.2群のACLは,術後3.2年でもなお無水晶体眼と比べ,有意に高い柵破壊を示した.以上の結果からIOLの固定方法は,偽水晶体眼の血液房水柵機能に影響をあたえ,水晶体嚢内固定のPCLが最も安全な固定方法であることが結論された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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