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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科40巻9号

1986年09月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

上輪部角結膜炎(superior limbic keratoconjunctivitis)

著者: 大橋裕一1 木下茂2 下村嘉一3 浜野孝3 井上新3 渡辺仁3 眞鍋禮三3

所属機関: 1関西労災病院 2大阪労災病院 3大阪大学

ページ範囲:P.1011 - P.1015

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 superior limbic keratoconjunctivitis(SLK)は上輪部結膜を主体とする原因不明の慢性炎症疾患であるが本邦での報告は少ない.最近1年間に3施設の外来において男性2名,女性6名の計8名の患者がSLKと診断された.今回の結果では中高年の女性に多く見られ,1例に甲状腺機能異常を,5例に涙液減少症を伴っていた.一部の軽症例は硝酸銀の塗布に反応したが概して難治であり,ステロイド投与や病変の切除などは無効であった.こうした難治例にビタミンAを局所投与したところ,かなりの例で症状や所見の改善を見た.SLKは本邦でも決して稀な疾患ではなく,その特異な発生部位のために見過ごされている可能性が高いと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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