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臨床報告
隅角癒着解離術が奏効した続発性閉塞隅角緑内障の1例
著者: 田中雅二1 三輪隆1
所属機関: 1キッコーマン総合病院眼科
ページ範囲:P.38 - P.40
文献購入ページに移動 70歳男性.術前狭隅角であったが,手術経過良好であった白内障嚢内摘出術後7日目に起こった浅前房から,癒着性閉塞隅角緑内障にいたる経過について述べ,隅角癒着解離術が奏効をみたことについて報告した.すなわち,術前の眼圧50mmHg/Appが,術直後より全く薬物投与なしに恒常的に15mmHg/APP前後となり,視力は術後矯正0.9となった.手術手技は,1984年永田ら1)によって報告された方法に基づき,少量の硝子体を切除吸引し,Thorpeのgonioprismで,隅角を直視しつつ,前房を灌流しながら癒着剥離を行った.癒着はきわめて容易に剥離され,術中すでに,手術部の隅角の構造がほぼ明瞭に観察され,現在に至る1年間,そのまま開放状態を保ち,再発をみていない.
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