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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻1号

1987年01月発行

文献概要

臨床報告

輪部デルモイドに対する周辺部表層角膜移植

著者: 永江康信1 木下茂2 下村嘉一1 真鍋禮三1

所属機関: 1大阪大学医学部眼科 2大阪労災病院眼科

ページ範囲:P.69 - P.72

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 8眼の輪部デルモイドに対して周辺部表層角膜移植術を施行し,術後2〜4.6年の経過観察を行った.その結果,デルモイドの再発は1眼も認められなかった.移植片は8眼中6眼で完全に透明治癒を示した.透明治癒しなかった2眼の内訳は,1眼は拒絶反応による移植片実質混濁を生じ,他の1眼は強膜側の移植片融解を示し,再移植した.移植片への血管侵入が検討できた7眼については,全例でgraftの表層結膜側に血管侵入を認めた.Graftの表層角膜側およびgraft実質内への血管侵入は,移植片混濁を示した1眼にのみ認めた.Graft bed (graftとhost深層実質の間)には7眼中5眼に明らかな血管侵入(ghostvesselを含む)を認めた.この結果より,周辺部に置かれた移植片組織は高率に透明性を維持し,存続できるものと考えられた.またgraftは角膜内への血管侵入を抑制していると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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