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臨床報告
糖尿病における視機能インスリン依存型と非依存型
著者: 竹内晴子1 井上正則1
所属機関: 1神戸大学眼科学教室
ページ範囲:P.83 - P.86
文献購入ページに移動 インスリン依存型糖尿病(IDDM)25名,インスリン非依存型糖尿病(NIDDM)49名,計74名(男44名,女30名)について,視力,色覚,空間周波数特性,中心フリッカー値を調べ,視機能を検討した.
Farnsworth-Munsell 100 hue testを用いた色覚検査では,視力低下とともに,総偏差点が高くなったが,視力良好でも総偏差点の高い例が存在し,増殖型網膜症に特に多く,視力と色覚感度の間に差が認められた.また,青黄異常が多く認められた.Arden grating testを用いた空間周波数特性測定では,網膜症を認めない例でも高周波数域の異常を検出し得,糖尿病における網膜症発現以前の視機能異常の存在が示唆された.中心ブリッカー値は,視力が比較的良好な例で,著明に低下している例が少数認められた.また,これらの検査では,IDDMとNIDDMの視機能には,差異は認められなかった.
Farnsworth-Munsell 100 hue testを用いた色覚検査では,視力低下とともに,総偏差点が高くなったが,視力良好でも総偏差点の高い例が存在し,増殖型網膜症に特に多く,視力と色覚感度の間に差が認められた.また,青黄異常が多く認められた.Arden grating testを用いた空間周波数特性測定では,網膜症を認めない例でも高周波数域の異常を検出し得,糖尿病における網膜症発現以前の視機能異常の存在が示唆された.中心ブリッカー値は,視力が比較的良好な例で,著明に低下している例が少数認められた.また,これらの検査では,IDDMとNIDDMの視機能には,差異は認められなかった.
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