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治翳新法
著者: 中泉行信1 中泉行史1 斎藤仁男1
所属機関: 1研医会
ページ範囲:P.92 - P.93
文献購入ページに移動これは「治翳新法」の冒頭に述べられた訳文の一節であるが,これによるとヨーロッパにおいては2000年来称用された内翳術の擠下法に代わって新内翳術の摘出法がはじめられたのは19世紀半のことで,ようやく進歩への第一歩が踏み出された感がする.わが国では漢方医家が古くから中国伝来の銀鍼による"そこひ"治療が行われてきたが,近代医学としての白内障手術が実際に行われるようになったのは,シーボルト等外人医師に直接の医術指導を受けるようになってからのことで,それまでは何れも秘伝秘法のベールに包まれた中国医術の模倣で,さして進歩もなかった.幕末に至ってオランダ医学の伝来とともに,各種の講義筆記やオランダ医学書の翻訳が盛んに行われるようになった.
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