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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻10号

1987年10月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

骨髄移植術後graft-vs-host diseaseの眼症状

著者: 澤充1 宮倉幹夫1 大久保彰1 水流忠彦1 清水昊幸1 北野喜良2 雨宮洋一2 三浦恭定2 清水英男3

所属機関: 1自治医科大学眼科 2自治医科大学血液学 3自治医科大学病理

ページ範囲:P.1147 - P.1151

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 骨髄移植術後にみられた急性graft-vs-host病(GVHD)の1例について報告した.症例は急性骨髄性白血病の44歳女性である.3回目の寛解期にHLAの一致する症例の姉から提供をうけ,同種骨髄移植を行った.術後23日後に皮膚紅斑の出現と共に眼掻痒感,流涙,結膜点状出血が出現した.ひきつづいて結膜偽膜形成および偽膜の自然剥脱を認めた.偽膜の組織像はリンパ球,多核白血球を有する壊死性線維性膜像であり,炎症性にみられる偽膜像と同様なものであった.眼症状は抗生物質と人工涙液点眼のみで発症後45日には消失した.
 本症を含め現在までの眼GVHDに関する報告を基に考察を加え,本症における偽膜性結膜炎の発症には感染機序が関与したと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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