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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻10号

1987年10月発行

文献概要

臨床報告

後房レンズ挿入後に生じた水疱性角膜症の1症例

著者: 石田誠夫1 足立和孝1 大越貴志子1 杉江進1 神吉和男1 山口達夫2

所属機関: 1聖路加国際病院 2順天堂大学

ページ範囲:P.1165 - P.1169

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 55歳男性で後房レンズ挿入1年後に生じた水疱性角膜症の1症例を経験した.45歳の提供眼を使用し,全層角膜移植を施行したが改善せず,25歳の提供眼を再移植した.移植時,後房レンズを除去し,前部硝子体を切除した.術後経過は良好で,コンタクトレンズの矯正で0.7の良好な視力を得た.
 角膜移植術時,摘出した角膜および後房レンズを病理組織学的に観察した.角膜は厚く,上皮は菲薄化し浮腫を起こしており,デスメ膜・内皮は欠落していた.後房レンズ表面には,一様に沈着物が認められたが,表面中央部に少なく,また,細胞成分はあまり観察されなかった.Loopには亀裂・破損はなくuveal tissueが一部付着していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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