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連載 眼の組織・病理アトラス・13
フォークト・小柳・原田病
著者: 猪俣孟1
所属機関: 1九州大学
ページ範囲:P.1214 - P.1215
文献購入ページに移動 フォークト・小柳・原田病は両眼性の汎ぶどう膜炎である。病因は不明であるが、ぶどう膜の炎症はメラニン細胞に対する免疫反応が関係している。眼外症状として,髄液の細胞増多,耳鳴,難聴,皮膚の白斑,白髪,脱毛などの髄膜炎症状,聴覚症状,皮膚症状を伴うことを特徴とする。フォークト・小柳・原田病の臨床像と病理学的所見は交感性眼炎の被交感眼と良く似ている。交感性眼炎では,起交感眼に穿孔性眼外傷や内眼手術の既往があるが,フォークト・小柳・原田病では眼外傷や手術の既往がない。
フォークト・小柳・原田病の眼病変の臨床所見として,前眼部では前房混濁,眼底では滲出性網膜剥離が見られる(図1)。滲出性網膜剥離は脈絡膜の炎症性の滲出液が網膜色素上皮細胞層を通って網膜下に出て貯留したためである。このことは、蛍光眼底検査で,蛍光色素が網膜色素上皮細胞層から点状ないし斑状に漏出して,網膜下に貯留することで理解される(図2)。
フォークト・小柳・原田病の眼病変の臨床所見として,前眼部では前房混濁,眼底では滲出性網膜剥離が見られる(図1)。滲出性網膜剥離は脈絡膜の炎症性の滲出液が網膜色素上皮細胞層を通って網膜下に出て貯留したためである。このことは、蛍光眼底検査で,蛍光色素が網膜色素上皮細胞層から点状ないし斑状に漏出して,網膜下に貯留することで理解される(図2)。
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