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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻11号

1987年11月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

非定型網膜色素変性症を伴ったocular melanocytosisの1例

著者: 今井雅仁1 飯島裕幸1 関希和子1 山林茂樹1

所属機関: 1山梨医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1217 - P.1222

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 41歳女性の右眼強膜,虹彩,脈絡膜に片眼性のびまん性色素沈着がみられ,ocularmelanocytosisと診断した。この色素異常以外に,本症例は,螢光眼底検査で両眼対称性に後極部網膜の輪状の色素上皮萎縮像が示され,さらに機能的には視野検査にて輪状暗点が,暗順応検査で暗順応最終閾値の上昇が,網膜電図(ERG)検査で振幅の低下が,眼球電位図(EOG)でL/D比の低下がそれぞれ,両眼,同程度に示された。強膜,虹彩,脈絡膜の色素沈着は問診結果をふまえ,片眼性で先天性停止性と考えられたが,視機能障害については両眼性で後天性進行性の可能性が示唆された。本例は先天性の異常であるocularmelanocytosisに網膜色素変性症を伴った症例として理解されるが,同様の症例は過去に2例報告されており,新しい疾患単位の可能性が示唆される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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