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手術・小児眼科,他
著者: 樋田哲夫1
所属機関: 1杏林大
ページ範囲:P.1344 - P.1345
文献購入ページに移動裂孔原性網膜剥離に対してpneumatic-retinopexyという方法が行われるようになってから,従来のバックリング法とのガス注入の併用も以前より多用されるようになってきていると思われる.胞状剥離に対するバックリング後に前後方向の網膜のfoldが形成されることがあり,特に裂孔の後極に生じた場合は再剥離につながるfishmouthとして知られている.筆者らは上方の胞状剥離に対してcircumferential bucklingと排液,および空気注入を行った3例に,バックルによる隆起の一端から生じた弧状のfold形成を経験した.いずれも気泡の下方のmeniscusに一致して生じたもので,黄斑部にかかり術前より視力は低下した.気泡が残留網膜下液および剥離網膜を後方に向けて圧迫したことによって生じたものと思われる.この様な合併症の予防にはガスの量に対する配慮とcircumferentialよりもradialのバックルの選択が望ましい.
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