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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻2号

1987年02月発行

連載 眼の組織・病理アトラス・4

星芒斑

著者: 猪俣孟1 岩崎雅行1

所属機関: 1九州大学

ページ範囲:P.110 - P.111

文献概要

 腎性網膜症や糖尿病性網膜症などでは,網膜血管の透過性が亢進し,しばしば黄斑部に放射状の硬性白斑が出現する.黄斑部の硬性白斑は放射状に並ぶことが多く(図1),その様子があたかも星の光の輝きに似ていることから,とくに星芒斑macular starと呼ばれる.星芒斑は黄斑のヘンレ線維層に沈着物が出現したもので,ヘンレ線維層の線維束が中心小窩を中心に放射状に並んでいることによる.
 硬性白斑の出現は,網膜血管から血液成分が血管外に漏出していることを意味している.網膜の血管から漏れ出た血液成分のうち水様成分は徐々に吸収されるが,フィブリンやその他の蛋白成分に富む物質は濃縮されて外網状層に沈着貯留する(図2).また,崩壊した細胞の残渣やそれを貧食して胞体内に多量の脂肪顆粒をもったマクロファージ(脂肪顆粒細胞)も主として外網状層に貯留する.沈着物は検眼鏡的に境界鮮明で黄色味の強い硬性白斑として認められる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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