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臨床報告
両眼性網膜色素上皮裂孔
著者: 野呂瀬一美1 谷野洸1 瀬川雄三1
所属機関: 1信州大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.119 - P.124
文献購入ページに移動右眼黄斑部には4×6乳頭径大のPEDを,左眼黄斑部には1乳頭径大のPEDが認められた.右眼のPEDの復位を目的として剥離辺縁部にアルゴンレーザー光凝固を施行したが,5日後,PEDは光凝固部位よりもさらに拡大した.19日後剥離耳側辺縁に沿って網膜色素上皮裂孔を認め,その後次第に裂孔は黄斑部方向へ拡大した.
左眼は,初診より40日後視力が急激に低下し,PEDは6×8乳頭径大に拡大した.PEDの下鼻側に小さな網膜色素上皮裂孔が認められ,次第に拡大した.
右眼は光凝固後に,左眼は自然に網膜色素上皮裂孔が発生し,両眼の経過は類似したことから,今回行った光凝固は網膜色素上皮裂孔の発生,経過に大きな影響を及ぼしていないと考えられた.
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