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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻2号

1987年02月発行

文献概要

臨床報告

網膜復位手術におけるヒアルロン酸の使用

著者: 荻野誠周1

所属機関: 1京都大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.125 - P.128

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 18例18眼の裂孔性網膜剥離(Grade C以上の増殖性硝子体網膜症の1眼を含む)の復位目的で,ヒアルロン酸製剤(ヒーロン® )を硝子体腔に0.5mlから4ml注入し,最低2年間経過観察した.注入圧によって網膜下液を強膜切開,脈絡膜穿刺部から排液し,ほぼ復位した後に網膜裂孔の冷凍凝固とシリコンスポンジエクソプラントを置いた.14眼が術翌日から復位したが,4眼は2週間から7カ月の長期間にわたって網膜下ヒーロン® による扁平網膜剥離が残存した.硝子体の濃縮と索形成が9眼にみられ,うち3眼に網膜剥離が再発し,再手術が必要となったが,いずれも再手術により復位した.術前に増殖性硝子体網膜症C1であった1眼は術後1カ月してD1となり,結局復位をえられなかった.黄斑部皺襞形成が2眼に生じた.これらはヒアルロン酸が増殖性変化を促進する可能性を示唆している.術後1〜4週に軽度の眼圧上昇が4眼にみられたが,1週間で正常化した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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