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臨床報告
文献概要
硝子体出血などの眼底透見不能時に,網膜裂孔の存在の有無を知ることは,治療方針決定の際に重要である.そこで網膜裂孔の超音波所見を得るために,検眼鏡的に網膜裂孔を認め,かつ網膜剥離を生じていない34眼に超音波検査を施行した.馬蹄形裂孔22眼全例で,B-scanにてflapが一端で眼球壁と連続する短い膜様エコーとして認められ,もう一方の先端と後部硝子体膜との癒着も確認できた.Flapの反射率は全例100%を示し,△dBは15眼において15.1±5.1 dBだった.蓋付裂孔12眼全例で,B-scanにてoper-culumが後部硝子体膜上に存在する比較的高い反射率の短い膜様エコーとして認められた.Oper-culumの反射率は40%から100%で,△dBは6眼において31.2±2.7dBだった.これらの特徴的な所見から,眼底透見不能時においても網膜裂孔,特に馬蹄形裂孔の診断に超音波検査が有用であると結論した.
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