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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻3号

1987年03月発行

臨床報告

緑内障を伴った先天性ぶどう膜外反の1例

著者: 田村充弘1 中塚和夫1 榊保堅1 福沢広義

所属機関: 1大分医科大学眼科学講座

ページ範囲:P.207 - P.210

文献概要

 緑内障を伴った片眼性先天性ぶどう膜外反の1例を報告した.
 症例は全身的には全く異常を認めない17歳の女性である.患眼には,全周性の先天性ぶどう膜外反,周辺部虹彩実質の萎縮,anterior iris inser-tionという特徴的な隅角,そして隅角形成不全緑内障を認めた.眼圧に関しては,現在まで点眼で良好に保たれている.角膜内皮細胞は,specularmicroscopeによる検査で異常がなかった.
 鑑別疾患として重要なIridocorneal endothe-lial syndromeやAxenfeld-Rieger syndromeと同様に,本疾患はその原因としてneural crestの発生異常が考えられた.
 先天性ぶどう膜外反は,高頻度にかつ早期より発症する緑内障を伴うため,このような症例に遭遇した場合には十分な眼圧検査が必要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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