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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻3号

1987年03月発行

文献概要

臨床報告

移植角膜に発症したAlternariaによる角膜真菌症

著者: 安藤展代1 高鳥浩介2

所属機関: 1神奈川県立足柄上病院眼科 2食品薬品安全センター

ページ範囲:P.225 - P.229

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 全層角膜移植術を行い経過良好であった53歳農婦の移植角膜の一部に潰瘍の形成をみた.潰瘍辺縁組織のスメアー中に真菌の菌要素を認め,培養により,Alternaria alternataが分離同定された.チメロサール点眼,ピマリシン眼軟膏点入,フルシトシン(以下5-FC)内服により約2カ月で瘢痕治癒した.潰瘍は終始移植角膜内にとどまり,隣接した自己角膜に及ぶことはなかった.5種の薬剤の抗菌価(μg/ml)は次の通りであった.チメロサール0.0063,ピマリシン2,アンホテリシンB3.1,ナイスタチン6.3,5-FC100.
 Alternariaは腐生菌であり,健常結膜嚢からも分離されるが,感染症を起こすことは稀である.現在までに21例(内本邦2例)の報告があり,それらを含めて考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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