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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻3号

1987年03月発行

文献概要

Jules François Lecture

コンタクトレンズ装用に関する角膜生理

著者: 三島済一1

所属機関: 1東京大学医学部眼科

ページ範囲:P.235 - P.241

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 コンタクトレンズ装用に関連する涙液および角膜の生理について総説した.コンタクトレンズ装用にとって基本的に重要なことは,大気中から角膜へ十分な酵素が供給されることである.ハードコンタクトレンズにおいては,主として,レンズ下の涙液が瞬目運動とともに入れ替わることにより,酸素が供給される.これに対し,ソフトコンタクトレンズは,角膜全体を覆っているため,涙液の交換が十分でないので,拡散により酸素がレンズを透過することによって,角膜へ酸素が供給される.角膜が正常の厚さを維持するために必要な角膜表面酸素分圧は20〜30mmHgである.開瞼時には,この程度の角膜表面酸素分圧は,コンタクトレンズの酸素透過度(oxygen tran-smissibility,DK/L)が15-20×10-9(cm/sec)cm3O2/cm3mmHg程度であれば達成できる.閉瞼時には,角膜膨潤を起こさないためには,レンズの酸素透過度が50×10-9単位以上でなければならない.連続装用においては,現在用いられているレンズの酸素透過度が十分でないので,眼科医による患者の定期検診が絶対に必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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