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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻3号

1987年03月発行

臨床報告

人工水晶体移植術後のProteus mirabilisによる眼内炎の1例

著者: 伊東滋雄1 林倫子1 宮代汎子1

所属機関: 1神戸逓信病院

ページ範囲:P.251 - P.254

文献概要

 人工水晶体挿入2日後にProteus mira-bilisによる眼内炎を起こした84歳男性の症例を報告した.発症日に,人工水晶体摘出とCefazolinによる前房洗浄を施行.次いで,TobramycinとCefazolin,CephalexinまたはLatamoxefの点滴静注,およびTobramycinまたはGentamicinの結膜下注射を行い,眼内細菌は陰性となった.この時点からステロイド剤を投与し,角膜の透明化,前房内滲出物の吸収に成功した.
 Tobramycin 60mg点滴静注直後の血清TOB濃度は2.16〜7.18μg/ml,静注4.5時間後の前房水中Tobramycin濃度は1.2μg/mlであった.房水中の最高Tobramycin濃度はもっと高値であったと推定され,Proteus mirabilisの殺菌作用に十分な濃度であったと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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