文献詳細
特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (1)
学会原著
文献概要
Argon laser iridotomyが施行された原発閉塞隅角緑内障52例72眼を散瞳し瞳孔後癒着の有無を調べた.瞳孔後癒着は72眼中19眼(26%)に発生し,その癒着範囲も瞳孔の半周を越すものが多かった.瞳孔後癒着の発生は術前前房深度の極度に浅いもの,術後ピロカルピンを使用したものに有意に高率であった.瞳孔後癒着の発生機序として,laser照射後のpigment散乱がその主体をなすものであるが,これに浅前房とピロカルピンによる縮瞳状態が加わった時発生しやすいと考えられた.瞳孔後癒着の防止のため,術後の散瞳,抗炎症治療の徹底に加えて術後無為な縮瞳剤の頻用を避ける必要があると考えた.
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