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特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (1) 学会原著
Anterior chamber tube shunt to an encircling bandによる難治性緑内障の治療成績
著者: 関伶子1 福地健郎1 安藤伸朗1 佐藤一宣1 沢口昭一1 難波克彦1 岩田和雄1
所属機関: 1新潟大学医学部眼科
ページ範囲:P.297 - P.301
文献購入ページに移動(1)術後21mmHg以下にコントロールされた症例は新生血管緑内障(NVG)63.6%,原発開放隅角緑内障(POAG)87.5%,原発閉塞隅角緑内障(PACG)100%,続発緑内障(SG)66.6%,計73.8%であった.
(2)術後の平均眼圧下降幅はNVG 31.4mmHg, POAG 20.5mmHg, PACG 32.7mmHg,SG 19.4mmHg,計25.2mmHgで統計学的に有意な眼圧下降がみられた(p<0.01).
(3) NVGに対するACTSEB以外の術式では統計学的に有意な眼圧下降はみられず,ACTSEBはこれらの術式すべてに対し統計学的に有意に眼圧は下降していた(p<0.01).
(4)前眼部螢光所見,動物実験から房水はチューブ内を通ってband腔へ導かれることは証明されたがその先の経路は明らかにできなかった.
以下より本法は種々の難治性緑内障に有効であることが明らかにされたが,更により安全確実な手術法とするため研究が必要である.
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