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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻4号

1987年04月発行

文献概要

特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (1) 学会原著

後房レンズ挿入術後早期にみられる瞳孔膜

著者: 西興史

所属機関: 1西眼科病院

ページ範囲:P.331 - P.336

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 我々はこの1年間に挿入した後房レンズ596眼中45眼7.6%に,平均術後5〜6日目に集中して見られる眼内レンズ(IOL)前面の一過性のフィブリンを主体とする瞳孔膜形成を観察した.本膜は前嚢縁間を架橋しているのが特徴的所見で,前嚢下の水晶体上皮細胞増殖が原因となる,いわゆるlens induced uveitisの結果と考えられた.また増殖蛋白物質がフィブリノーゲンをフィブリンに変えるプロセスを導入する作用があると考えられた.
 前嚢がIOLの前にある場合(主としてin thebag挿入に見られる)は,IOL前面がscaffoldとなり,このフィブリン膜形成の形をとり,IOLの後方にある場合は後嚢がscaffoldとなって,この上に膜形成され,後嚢混濁となっていくことが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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