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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻4号

1987年04月発行

文献概要

特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (1) 学会原著

川崎病の発病早期からの眼病変

著者: 藤本隆生1

所属機関: 1明和病院

ページ範囲:P.337 - P.341

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 川崎病患者44例について発病早期から少なくとも週1回眼科的検査を行った.
 眼球結膜充血は平均3.7病日に44例全例の両眼に出現,平均7.4日間持続した.虹彩炎は第1病週から観察しえた36例中26例(72%)に認められ,この26例中10例では眼科初診時に川崎病と確定診断されていなかった.虹彩炎の発現率は第2病週以降急減し,第6病週までに全て後遺症を残さず消退した.虹彩炎は全て両側性で女よりも男で高頻度にみられた.眼底検査,螢光眼底検査で明らかな異常を認めた例はなかった.冠動脈瘤を認めた6例では虹彩炎が第1病週から認められ,しかも眼球結膜充血,虹彩炎とも長期間持続する傾向がみられた.
 川崎病の虹彩炎は,発病早期から高率に出現し,冠動脈瘤を認める例で虹彩炎が遷延化する傾向がみられた.虹彩炎を川崎病の主要症状の一つとして考えれば,川崎病の早期診断および重症度評価に有用であると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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