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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻4号

1987年04月発行

文献概要

臨床報告

無虹彩-Wilms腫瘍症候群の1例

著者: 野田幸作1 玉井嗣彦1 上野脩幸1 岸茂1 目代康子1 矢野久仁子1 友田隆士2 荒木久美子2 小倉英郎2 倉繁隆信2 喜多村勇2 沢田敬3 佐竹幸重3

所属機関: 1高知医科大学眼科学教室 2高知医科大学小児科学教室 3高知県立西南病院小児科

ページ範囲:P.379 - P.382

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 典型的な無虹彩-Wilms腫瘍症候群の5カ月女児の1例について報告した.眼科的に水平眼振,無虹彩,軽度の白内障,緑内障,黄斑低形成などが両眼に認められた.水晶体表面には両眼とも粗な血管網があり,隅角鏡検査にて痕跡的な虹彩根部へ連絡しているのが観察された.この血管網は螢光前眼部検査にて造影された.染色体の核型は46,XX,t (11;13)(p13;p11)であった.のちに左腹部にWilms腫瘍が発見された.無虹彩の症例では眼科的に視能訓練,緑内障の悪化の可能性,角膜混濁などについて十分な経過観察が必要なほか,染色体分析を行い,Wilms腫瘍などの悪性腫瘍の発生を十分監視する必要があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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