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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻4号

1987年04月発行

文献概要

臨床報告

桐沢型ぶどう膜炎の2症例

著者: 岩元義信1 松村絹子1 尾渡美和子1

所属機関: 1大分県立病院眼科

ページ範囲:P.395 - P.400

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 硝子体混濁が比較的軽かった,片眼性の桐沢型ぶどう膜炎の2例を経験した.症例1は55歳男性,成人T細胞性白血病の患者で,日和見感染の既往があった.症例2は41歳の健康男子で,ステロイドやアシクロビールによる治療も奏効せず,網膜剥離へと進展した.リンパ球サブセット分析にて免疫異常が示唆された.2症例とも急性期に点状,一部斑状の滲出斑がみられ,眼底所見,螢光眼底所見よりこの滲出斑は本症に特徴的な濃厚な滲出斑とは本態の異なる病巣と考えられた.また,濃厚は滲出斑は三面鏡検査にて剥離網膜下の顆粒状堆積物として観察され,その主体は脈絡膜よりの炎症性滲出物と考えられた.
 本症の最大の特徴は,網膜内ウイルスに対する異常な反応性ぶどう膜炎にあると思われ,その原因として免疫応答の異常を推測した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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