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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻4号

1987年04月発行

文献概要

連載 眼科医のための推計学入門・2

代表値とばらつき

著者: 大野良之1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部公衆衛生学

ページ範囲:P.405 - P.408

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代表値の種類
 データ(標本測定値)の広がりや位置などの分布状態は,度数分布表を作りヒストグラム(柱状図)を描けば知ることができる.その中心的傾向は通常,中央値(median)・最頻値(mode)・平均値(mean)で代表させる.
 中央値とは,測定値を大きさの順に並べたとき,測定値の数(n)を二分する値をいう.nが奇数なら(n+1)/2番目の測定値であり,偶数ならn/2番目とn/2+1番目の測定値の合計の半分の値である.最頻値とは,測定値の中で最も度数(頻度)の多い値である.平均値といえば通常算術平均をいうが,このほかに幾何平均・調和平均がある.例えば10個の測定値群(0,0,1,2,2,2,2,3,4,5)の場合,中央値と最頻値はともに2,算術平均値は2.1である.算術平均値は代表値として最良で最も広く用いられている.しかし測定値数が少なく,その中に極端に飛び離れた値があると大きい方(あるいは小さい方)へ偏よってしまう.中央値や最頻値はその意味がわかりやすく,飛び離れた値で影響されない.しかし算術平均値と異なり統計的処理には適さない.度数分布が対称的・非対称的な場合の各代表値の位置を図1に示した.対称的な場合は三つが等しくなる.非対称分布の場合には平均値は代表値として必ずしも適当でない.平均値以外に中央値・最頻値を併記するのがよいことがわかる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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