icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻5号

1987年05月発行

文献概要

特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (2) 学会原著

網膜中心静脈閉塞症の線溶・抗凝固療法の試み

著者: 内田英哉1 藪下えり子1 西田祥藏1

所属機関: 1愛知医科大学

ページ範囲:P.477 - P.482

文献購入ページに移動
 網膜中心静脈閉塞症に対して,uro-kinase 60万IUを2日間投与しwarfarinを併用した群,24万IUを4〜5日間投与(約半数例にwarfarin併用)した群で,治療効果および血液凝固・線溶能を比較検討した.
(1) urokinase 60万IU投与群,24万IU投与群ともに線溶能は亢進した.特に60万IU投与群において著明であった.
(2) urokinase単独投与では,凝固能には変化は見られなかった.warfarinのurokinase投与開始と同時併用により血液凝固能は抑制された.
(3)最良視力が得られるまでの平均期間は,uro-kinase 60万IU投与群(warfarin併用)が最も短かった.また,光凝固施行により視力の改善を得た症例が認められた.
 以上より,本症治療にurokinaseとwarfarinの併用療法および必要に応じた光凝固は有効な治療法であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?