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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻5号

1987年05月発行

文献概要

特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (2) 学会原著

未熟児網膜症に対するビタミンEの効果について(II)

著者: 加藤寿江1 馬嶋昭生1 市川琴子1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.487 - P.491

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 1977年1月から1984年12月までに名市大新生児集中治療室(NICU)で管理され,1年間以上経過観察のできた出生体重1,500g未満の極小未熟児は138例で,このうちビタミンE非投与群は67例,ビタミンE筋肉内総投与量が40mg/kgをこえる過剰投与群は33例,ビタミンE筋肉内総投与量が40mg/kgの至適投与群は38例であった.これら3群について,網膜症の発生・進行および瘢痕化とビタミンE投与の関連性について検討し,以下の結果を得た.
(1)ビタミンEによる網膜症の発生予防,進行防止効果は認められない.
(2)ビタミンE過剰投与は,敗血症,感染症を増加させ,網膜症を重症化させる.
(3)ビタミンEによる網膜症瘢痕化の軽減効果もない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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