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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻5号

1987年05月発行

文献概要

臨床報告

パターンERGによる緑内障性早期視神経障害の検出

著者: 千原悦夫1 森秀夫2 坂上欧2 根木昭2 本田孔士2 新井三樹3 直井信久4 堀部勉5 谷原秀信6

所属機関: 1宮崎医科大学 2京都大学 3県立尼崎病院 4神戸中央市民病院 5倉敷中央病院 6天理よろづ相談所病院

ページ範囲:P.521 - P.524

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 正常24眼,視神経および神経線維層に異常を認めない高眼圧症(OH-1群)15眼,C/D比が0.6以上あるいは神経線維層欠損(nerve fiberlayer defect:NFLD)を認めゴールドマン視野に異常を認めない群でピロカルピンを使用していない群(OH-2群)10眼,OH-2群と同程度の乳頭,NFLD,視野であるがピロカルピンを使用している群(OH-3群)6眼,原発開放隅角緑内障で湖崎分類IIa〜IIIa (ピロカルビン使用)の15眼,同程度の視野異常を示す低眼圧緑内障13眼においてパターンERG (PERG)とパターンVECP(PVECP)を同時記録しその潜時について検討した.
 OH-1群は正常群と差を認めないがOH-2群はPEPG潜時が有意に延長しPVECPの変化より鋭敏であった.OH-3群とPOAG群は明らかな潜時の延長を認めた.また個体差のため個々の症例における異常の判定は困難であったが視野変化進行と共に潜時は延長する傾向がある.低眼圧緑内障は同程度の視野変化を示す高眼圧緑内障群に比してPERG潜時の延長が不明瞭であり両者間の病態の差異を示すものと推論した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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