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雑誌目次

雑誌文献

臨床眼科41巻6号

1987年06月発行

雑誌目次

特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (3) 学会原著

5-Fluorouracilの線維柱帯切除術予後の改善効果について

著者: 谷口徹 ,   北沢克明

ページ範囲:P.575 - P.578

 初回あるいは2回目の線維柱帯切除術を施行した各種緑内障33例41眼を対象として,5-Fluorouracil (5-FU)5mgを術後1週間は1日1回,第2週は隔日1回結膜下注射を行った.5-FU投与を行わなかった病型の等しい30例36眼をコントロールとし,術後眼圧調整率を生命表法を用いて解析した.術後11カ月で,眼圧下降薬を用いることなく眼圧調整の得られる確率は,5-FU群では61.9%,コントロール群では19.1%で両群間に有意差を認めた(P<0.001).術後ピロカルピン,β遮断剤の点眼を行うことにより眼圧調整の得られる確率は,5-FU群82.5%,コントロール群62.7%,点眼に加え炭酸脱水酵素阻害剤内服を行うことにより,5-FU群90.7%,コントロール群76.9%であった.眼圧が20mmHg以下に調整された症例の最終観察時の平均眼圧は5-FU群9.9mmHg,コントロール群14.2mmHgで両群間に有意差を認めた(P<0.001).5-FU投与により,眼圧調整の得られる可能性が改善されるのみならず,非使用群に比して眼圧がより低いレベルに保たれたことは,術後の視機能維持の上での5-FU投与の有用性を強く示唆するものと思われる.

糖尿病者におけるasteroid hyalosisについて臨床的・病理組織学的検討

著者: 小嶋一晃 ,   石黒裕之 ,   原田敬志 ,   原田景子 ,   粟屋忍

ページ範囲:P.579 - P.583

 糖尿病者にみられたasteroid hyalosisの臨床的検討を行い,硝子体手術の適応となった症例については,asteroid bodyの病理組織学的検討を加えた.
 糖尿病者823名におけるasteroid hyalosisの頻度は3.4%(28名)で,片眼性が80%,年齢分布では60歳以上に71%と高率であった.本症と網膜症の有無・重症度および糖尿病の罹病期間・型・血糖コントロールの間に特定な関係は認められず,年齢的要素が考えられた.硝子体手術を施行した1症例は,術後光凝固により視力の改善をみたが,光凝固手技上,障害となるasteroidhyalosisには硝子体手術も適応となりうる.
 Asteroid bodyの成因は不明であったが,病理組織学的所見を示した.

後部硝子体膜黄斑症

著者: 岸章治

ページ範囲:P.585 - P.589

 特発性黄斑部網膜前膜には三つの基本型:円盤状,輪状,偽嚢胞状が存在し,それらが後部硝子体剥離の完成したautopsy眼の黄斑部遺残硝子体膜の基本型とよく対応することを明らかにした.一見複雑な病態も,膜の組成=遺残硝子体膜と考えれば,一元的に解釈できることを論じた.遺残硝子体膜を主体として多彩な病像を呈する「後部硝子体膜黄斑症」というべき疾患単位が存在することを主張する.

脈絡膜剥離を伴った裂孔原性網膜剥離

著者: 金井清和 ,   宇山昌延 ,   藤本恭平 ,   高橋寛二

ページ範囲:P.591 - P.595

 裂孔原性網膜剥離が脈絡膜剥離を伴った場合,剥離手術を行うにあたって術前に長期の安静を行って脈絡膜剥離の消退を待って手術を行った従来の方法と,安静期間を長く取らないで早期手術を行う最近の方法とを比較した.いずれの場合もscleral buckling法を行うのを基本とし,最近は脈絡膜剥離が高度であるとchoroidal tapと硝子体内に液体ないし気体の注入を併用した.術前の安静期間は従来の方法では平均約12日,最近の方法では約4日であった.
 手術成績は,退院時の網膜復位率は両者に差はなく約90%であったが,6カ月後の成績は従来の方法では増殖性硝子体網膜症による剥離再発例があったため復位率83.3%となったが,最近の早期手術では復位率91.7%を保ち良い結果であった.長期安静と薬物療法で脈絡膜剥離の自然消退を待って手術をするよりも,脈絡膜剥離があっても手術を行い,もし高度であればchoroidal tapと,硝子体内液体ないし気体注入を併用すればよい.
 しかし1眼あたりの手術回数は,従来の方法は1.17回であったのに対し,最近の方法は1.33回,さらにchoroidal tapを行った例のみについては1.71回で,最近の方法では手術回数が多かった.
 Scleral buckling法が好成績であったのに対し,硝子体手術は成績が必ずしも良くなく,特別な症例を除き通常は適応はないと思われた.

低眼圧症を伴った外傷性毛様体解離に対する手術療法の一経験

著者: 玉井嗣彦 ,   松本結香 ,   上野脩幸 ,   伊与田加寿 ,   岸茂 ,   割石三郎 ,   森沢あおい

ページ範囲:P.597 - P.601

 症例 は,右眼のワイヤーによる鈍的外傷後,アルゴンレーザーによる外傷性毛様体解離部への光凝固(計5回)にもかかわらず,1985年4月30日の受傷時より約7カ月間,低眼圧とそれに起因する視力低下を持続して,当科に紹介された38歳の男性である.
 初診時(1985年11月21日)視力:右0.1(0.2),左2.0(nc).眼圧:右4mmHg,左15mmHg.患眼は前房浅く,隅角鏡検査で,12時,2時の部を中心に毛様体解離があり,3時から10時まで隅角後退が認められた.眼底は,低眼圧症の症状を示し,乳頭は境界不鮮明で発赤し,黄斑部には放射状皺襞形成がみられた.
 入院後ステロイドの内服,同剤およびアトロピンの点眼療法にも効果がないため,1986年1月13日に,全麻下で角膜輪部より9.5mmを中心に8〜11mmの強膜を全周性に観音開きに半層切開し,直径1.5mmのシリコンロッドを埋没した.その後,網膜剥離用プローベで,埋没部の角膜側に冷凍凝固を−60℃,30秒で計22発全周性に施行した.術後,前房はしだいに深く形成され,眼圧は10日目に正常(15mmHg前後)に復した.眼底所見も改善し,1カ月半後には視力0.7(0.9)となり,以後経過は良好である.
 シリコンロッドを埋没させたので美容的にも問題はなく,術式もそれほど困難ではないので,本法は第一選択としてもよい手術法の一つと考えられた.

CO2レーザーによる眼内凝固

著者: 芳賀照行 ,   千代田和正 ,   原和彦 ,   野寄喜美春

ページ範囲:P.603 - P.606

 硝子体手術において新生血管線維組織の処置は重要な操作である.現在,凝固手段として主にジアテルミーが使用されているが,止血効果が不確実であること,視神経への障害などの問題点がある.我々はこれまでCO2レーザーによる眼内凝固について動物実験を行い,止血効果が確実であること,また周囲組織への障害が極めて少ないことを確認した.これらの結果をもとにして臨床応用を行った.
 糖尿病性網膜症7例,網膜静脈閉塞症1例,脈絡膜新生血管1例,脳外傷に併発した硝子体出血1例,合計10例の硝子体手術に応用した.Parsplana vitrectomyの際,直径1mmのCO2レーザーのファイバーを挿入し,新生血管線維束にチップ先端を接触させて凝固を施行した.全例で確実に血管が閉塞し,また網膜裂孔などの合併症も生じなかった.
 これらの結果からCO2レーザー眼内凝固は硝子体中の新生血管線維束の止血に臨床上有用と思われる.

硝子体内シリコン注入症例の検討

著者: 高良由紀子 ,   杉田達 ,   稲富誠 ,   深道義尚

ページ範囲:P.607 - P.610

 当科でシリコンオイル(以下SO)を注入した最近の23眼について手術成績,臨床経過,合併症を検討した.
 原疾患は増殖性硝子体網膜症(PVR)を伴った裂孔原性網膜剥離18眼,外傷性牽引性網膜剥離4眼,増殖性糖尿病性網膜症1眼である.術後6カ月で23眼中14眼(61%)に視力向上を認め0.1以上は8眼であった.退院時に復位を認めたもの15眼,部分剥離6眼,全剥離2眼であった.術後6カ月後に復位を保っていたのは15眼中10眼で,そのうち5眼にSOの抜去を行った.抜去後3眼に再剥離をみた.復位15眼のうち再剥離を来したのは5眼で網膜上膜,網膜下の増殖を伴っており2眼は牽引除去,SOの再注入により復位を得た.退院時部分剥離の6眼中5眼は6カ月後も剥離状態は変化はなかった.術後6カ月での合併症は白内障6眼,緑内障3眼であった.SO注入後の再剥離,SO抜去,合併症の問題点について検討した.

網膜中心動脈閉塞症に対する星状神経節ブロック高圧酸素療法の治療成績

著者: 吉田晶子 ,   玉井信 ,   兼子忠延

ページ範囲:P.611 - P.614

 網膜中心動脈閉塞症23例23眼に,星状神経節ブロックと,高圧酸素療法または高濃度酸素吸入療法を施行し視力予後を,retrospectiveに検討した.治療後,視力が改善した例は16例70%で,0.1以上に回復した例は10例43%であった.その視力予後は,治療前の視力が指数弁以上の8例では,発症から治療開始までの期間に関係なく,すべて0.1以上と良好であった.これに対し,手動弁以下の15例では,2例を除いて全例が0.05以下であった.またこの症例群で,治療開始までの期間が短い程,視力予後が良い傾向があった.

癩患者の白内障手術 癩眼合併症と術後視力

著者: 井上慎三 ,   松村香代子 ,   鈴木秀樹

ページ範囲:P.615 - P.618

 1974年12月から1982年10月までに全国8療養所の癩患者を3カ所の療養所において,行った水晶体全摘出術は300名376眼(癩腫型361眼,類結核型およびその他15眼)であった.これらの眼に見られた癩眼合併症と手術後視力の改善率を検討した.
(1)手術眼に50%以上みられた合併症は兎眼(68%),角膜実質混濁(55%),縮瞳(84%),過去に虹彩炎(ぶどう膜炎)の既往歴のある眼(78%),虹彩後癒着(68%)である.
(2)兎眼があると手術後の視力の改善率は有意の差(P<0.10)でない眼より悪い.
(3)角膜実質混濁,角膜血管侵入,角膜上皮変化,虹彩前癒着,緑内障の癩眼合併症を有する眼では,有意の差(P<0.01)で手術後の視力の改善率が悪い.
(4)過去に虹彩炎のあった眼は,ありに有意の差(P<0.10)で手術後の視力の改善率が良い.

上皮型角膜ヘルペスに対する抗ウイルス剤phosphonoacetic acid点眼液の治療効果について

著者: 木勢恵一 ,   飯島絹代 ,   三國郁夫 ,   三溝和男

ページ範囲:P.619 - P.623

 体重2.5kg雄白色家兎(JW)15羽に,HSV1(HF株,106pfu/ml)ウイルスを塩田変法で接種した.2日後よりIDU,ACV,PAAの治療を1日3回,15日間行い,以下の結論が得られた.
(1) PAA点眼液は,家兎の上皮型角膜ヘルペスに対し有効であった.
(2) IDU,ACV,PAAの治療群では,三者ともに角膜潰瘍は7〜9日で消失した.
(3)充血,眼脂,角膜潰瘍の総合判定からはIDU,ACV,PAAの治療効果は三者ともに同じであった.

細菌(真菌)性角膜炎の最近7年間の統計

著者: 杉田美由紀 ,   田中直彦 ,   磯部裕 ,   平原敦子 ,   三井啓司

ページ範囲:P.629 - P.633

 最近7年間(1979-1985)に当科で経験した細菌(真菌)性角膜炎152例,153眼の症例について統計的観察を行った.症例の年齢は50歳代,60歳代および70歳代の順に多く,平均は50.1歳であった.誘因は角膜異物31眼が最も多かったが,この他にコンタクトレンズ装用17眼(SCL12眼,HCL5眼),内眼手術の既往13眼,ステロイド点眼8眼も多くを占め,誘因の複雑化が明らかとされた.症例のうち初診時すでに抗生物質治療をうけていたものは125眼(81%)であった.培養で菌を検出しえたものは153眼中60眼(39%)であった.検出菌はStaphylococcus epidermidisが最も多く33眼であった.次いでStaphlococcusaureus13眼,Pseudomonas aeruginosa9眼,Streptococcus Pneumoniae7眼,真菌は1眼であった.菌検出例60眼のうち起炎菌を推定したものが36眼であった.角膜潰瘍からのPs aer-uginosaの検出率は最近低下してきている傾向を示した.

角膜移植提供眼の細菌汚染について

著者: 岡本繁 ,   松崎裕子 ,   植栗一恵

ページ範囲:P.634 - P.639

 眼球保存液に添加する抗生剤は固定したものではなく,耐性菌の推移に応じて決定すべきものと考える.現在米国の多くのアイバンクでは眼球保存液にGentamicin (GM)が添加されており,わが国では眼球保存液・II (EP-II・科研)の添付文書にはPenicillin G (PCG),Streptomicin(SM)を添加するよう記載されている.我々は1984年5月より1986年4月までの2年間に提供を受けた角膜移植提供眼204眼について保存液,強角膜片からの細菌培養を行い,次の結果を得た.
(1)スリランカ提供眼156眼は抗生剤を添加しない保存液に全眼球として保存されていたが,約70%の眼球に細菌汚染がみられた.
(2)国内提供眼28眼は主として強角膜片として,Mezlocillin (MZPC)を添加した保存液に保存されていたが約18%に細菌汚染がみられた.
(3)米国眼20眼はGMを添加したMcCarey-Kaufman液(M-K液)に強角膜片として保存されていたが,菌は全く検出されなかった.
(4)総検出菌株数は492株でうち44株が真菌であった.内訳はCoagulase (-)ぶどう球菌が17.5%,ぶどう糖非醗酵グラム陰性桿菌が34.6%を占めた.
(5)薬剤感受性検査の結果はPCG,SM,MZPCは不良で,Amikacin (AMK),GM,Minocycline(MINO)の成績がよかった.GMは米国の大多数のアイバンクで添加されている100μg/ml前後の濃度を考慮すると大多数の検出菌に対して感受性があり,現時点では眼球保存液に添加するのに適当な抗生剤と考えられた。

Uveal effusion syndromeに対するsclerectomy-sclerostomyの効果

著者: 妹尾佳平 ,   小豆島純子 ,   熊谷俊一 ,   田澤豊 ,   岩見千丈

ページ範囲:P.640 - P.643

 Uveal effusion syndromeが強く疑われる2症例(43歳と62歳のいずれも男性)を経験した.共に非裂孔原性で下液が容易に移動する胞状の網膜剥離を有し,髄液検査で細胞増多を伴わない蛋白の上昇を示した.
 症例 1にはステロイド療法を,症例2には網膜下液排出術と全周締結術を施行したが,いずれも増悪を来したため,sclerectomy-sclerostomy(Gass)の手術を施行した.術後,網膜下液は着実に減少し,3〜4カ月後には完全に消失した.本症の特徴の一つとして自然治癒傾向が指摘されており,手術成績の評価に検討の余地はあるが,今回の症例の経験より,sclerectomy-sclerostomyは本症に着実な効果の得られる治療法であると考えられた.

学術展示

緑内障手術の遠隔成績

著者: 鄧奮剛 ,   百瀨皓

ページ範囲:P.646 - P.647

 緒言 1961年から1985年までの25年間に著者の一人である百瀬により施行された緑内障手術の術式の変遷と手術成績について検討した(図1).

高度な前房蓄膿を呈したぶどう膜炎5症例の経験

著者: 石丸裕晃 ,   西内貴子 ,   山根伸太 ,   川端昌子 ,   馬詰裕道 ,   藤田善史 ,   三村康男

ページ範囲:P.648 - P.649

 緒言 前房蓄膿はベーチェット病,強直性脊椎炎,角膜感染症などでしばしば認められるが,他の疾患では比較的頻度が少ないとされている.今回我々は,高度な前房蓄膿を呈したぶどう膜炎の5症例を経験し,その経過を観察することができたので報告する.

特異な強膜ぶどう膜炎を示した側頭動脈炎

著者: 上村昭典 ,   鵜木一彦

ページ範囲:P.650 - P.651

 緒言 側頭動脈炎は,急性側頭部痛,全身倦怠感,体重減少,著明な血沈亢進,副腎皮質ステロイド薬に対する反応性などの特徴的臨床像を示す全身疾患である.約40%の症例が虚血性視神経症や眼球運動障害などの眼徴候を合併する1).我々は,激烈な側頭部痛で発症し,さらに強膜炎,虹彩炎を併発し諸検査所見と経過とをあわせて側頭動脈炎とみなされる症例を経験した.強膜炎の合併は過去の文献にほとんど記載がない.

Iridocorneal endothelial syndromeの1例

著者: 金山俊也 ,   長谷川栄一

ページ範囲:P.652 - P.653

 緒言 Iridocorneal endotherial (ICE) syndromeは,Chandler syndrome,essential iris atrophy,Cogan-Reese syndromeを同一のentityの疾患として総称するものである.我々は特徴的虹彩萎縮像,隅角所見,高眼圧,角膜内皮所見からessential iris atrophyとして経過観察中に上方虹彩上に小結節が出現した症例を経験した.この症例は以前に他院では,角膜浮腫を主体とした病状からChandler syndromeと診断されていた.今回スペキュラーマイクロスコピーによる角膜内皮の観察とtrabeculectomyの際の切除組織につき病理組織学的検査を行った.

ベーチェット病とHLA

著者: 奥脇賢一 ,   福島一哉 ,   石川哲

ページ範囲:P.654 - P.655

 緒言 ベーチェット病の原因は未だ不明であり,多方面からの研究が諸家により報告されている.しかし我々は,本病の原因は宿主側因子と環境因子の二つに絞れると考えている.宿主側因子として,免疫遺伝学的立場からの研究,特にHLA抗原との相関1)について多数の報告がなされている.日本人ではHLA-B51との間に強い相関性が見出せるという報告が過去にあった.諸外国においてもB51との相関が同様に認められたとの報告がある.しかし,それとは逆に相関が弱いか認められないとの報告もなされている.さらに,B51頻度を病型別,男女別に分析した研究結果では,ベーチェット病においてB51に連鎖した遺伝素因は男女・病型等により相関性に差があるとの報告がある.また,最近の疫学調査2)では,罹患者数,臨床症状の変化等が認められるとの研究報告がなされている.さらに,本病発症の原因の一つである環境は,時代と共に変化しており,そのため宿主側因子としての免疫学的素因であるHLAにも変化がくるものと考え,特定のHLAを保有する患者について,初発年次においても差異が認められると思われる.したがって,ここでHLAを検査することは意義あることである.

出血性黄斑症を伴ったVogt-Koyanagi-Harada症候群の1例

著者: 原彰 ,   三浦雅博 ,   清水由規

ページ範囲:P.656 - P.657

 Vogt-Koyanagi-Harada症候群は,前部ぶどう膜炎,毛髪白変,脱毛,白斑,聴覚異常を主徴としたVogt-Koyanagi症候群と,急性び漫性脈絡膜炎,髄液細胞増多を主徴とする原田病とが一つの疾患としてまとめられたものであり,日本人に比較的多く発症するとされている.主病巣はぶどう膜にあり,脈絡膜メラノサイトの崩壊を起こすため,夕焼様眼底を呈するのが特徴である.ステロイド剤の全身投与に反応すれば視力予後は良好であるが,ぶどう膜炎が再発し遷延する場合は緑内障,白内障,眼球癆を合併し視力予後が悪い1).今回我々は軽症Vogt-Koyanagi-Harada症候群の経過を観察中,初診から6年目に黄斑部からの血管新生により黄斑出血を起こした症例に遭遇した.Vogt-Koyanagi-Harada症候群に黄斑出血を起こすことは稀である上,本症の様に黄斑出血の初期に螢光造影検査を行い,脈絡膜血管新生の存在を確認できた症例は皆無に近いと思われるので報告する.

桐沢型ぶどう膜炎の病型分類とその特徴

著者: 中山正 ,   大滝千秋 ,   松尾信彦 ,   小山鉄郎 ,   白神史雄 ,   辻俊彦 ,   三原正義 ,   松尾俊彦

ページ範囲:P.658 - P.659

 緒言 桐沢型ぶどう膜炎の病型をその臨床経過から,軽症型,遅発性網膜剥離型(以下,遅網型),激症型の3型に分類した.各々の特徴から治療スケジュールを検討した.また,病因別に,水痘・帯状ヘルペス型と単純ヘルペス型の2型に分類した.

脈絡膜血管腫の2例

著者: 岩崎琢也 ,   小川徹郎 ,   中西堯郎 ,   臼井正彦

ページ範囲:P.660 - P.661

 緒言 脈絡膜腫瘍の鑑別診断は螢光眼底検査,超音波検査,CTスキャン,核医学検査の発達により比較的容易になった.今回,後極部視神経乳頭近傍に位置する脈絡膜血管腫の2例を経験したので治療と臨床経過について報告する.

脈絡膜osseous choristomaの1症例(MRIの応用)

著者: 石川和男 ,   近藤義之 ,   藤原隆明 ,   山本晃

ページ範囲:P.662 - P.663

 緒言 近年,核磁気共鳴による映像法(NMR-CT,MRI)の進歩は著しく,基礎的研究のみならず,さまざまな病変に対する臨床評価が行われる時期になりつつある.
 今回我々は脈絡膜原発の骨腫瘍であるといわれているosseous choristomaの1症例について,MRIを施行する機会を得たので,この経験をふくめて報告する.

トキソプラスマ性網脈絡膜炎後の瘢痕病巣と思われる部に接して見られた黄斑部脈絡膜新生血管の1例

著者: 平田志穂 ,   吉岡久春

ページ範囲:P.664 - P.665

 緒言 従来,急性の眼トキソプラスマ症(以下眼トキソ症と略す)の稀な合併症として,視神経乳頭浮腫,乳頭および網膜新生血管,網膜血管分枝閉塞,脈絡膜新生血管および網膜外層トキソプラスマなどがあげられている1).また,眼トキソ症の経過中に見られる脈絡膜新生血管については数氏の報告2〜4)があるが,本邦では萱沢の1例5)があるのみである.今回我々は,黄斑部トキソ性網脈絡膜炎後の瘢痕病巣と思われる部に接して脈絡膜新生血管を来たした症例を経験したので報告する.

硝子体分析を行えた家族性滲出性硝子体網膜症の1例

著者: 石幸雄 ,   錦織敏治 ,   五島紳一郎 ,   片山寿夫 ,   藤原久子 ,   上野信也

ページ範囲:P.666 - P.667

 緒言 家族性滲出性硝子体網膜症(familiarexudative vitreoretinopathy,以下FEVR)は1969年Criswickら1)が初めて報告して以来,最近は若年性網膜剥離の原因疾患として注目されている.しかし,その発生頻度,病態にはまだ不明な点が多く,病因も網膜血管異常によるものか,硝子体異常によるものかはっきりした見解がない.今回,我々は網膜剥離を来したFEVRに硝子体手術を施行し,得られた硝子体の性状について生化学的な検討を行えたので報告する.

硝子体手術後の網膜剥離とその予防網膜静脈閉塞症に伴う硝子体出血の場合

著者: 沖波聡

ページ範囲:P.668 - P.669

 緒言 網膜静脈閉塞症に伴う硝子体出血に対する硝子体手術は,増殖性糖尿病性網膜症や増殖性硝子体網膜症(PVR)と比べると手術手技が比較的容易であると思われて,初心者が行うことが多い様である.しかし,Ocutome IIを使用したthree port systemで行う様になってから,術後の網膜剥離が増加したことを市岡ら1)がすでに報告した.今回,網膜静脈閉塞症に伴う硝子体出血に対する硝子体手術後に発見された網膜剥離の特徴について検討し,硝子体手術の初心者がそれを予防するための工夫について考察した.

連載 眼科図譜・352

固定斜視の1例

著者: 堀部勉 ,   砂川光子 ,   奥平晃久 ,   新井一樹 ,   大熊正人 ,   本田孔士

ページ範囲:P.566 - P.567

 固定斜視(strabismus fixus)とは,1眼または両眼が内転位あるいは外転位の時には,上下偏位に固定された状態で,報告は比較的少ない.また,内眼筋の病理所見の報告も少ない1〜5).今回我々は強度近視に伴う後天性の固定内斜視の1例を経験し,その内直筋の病理所見を得たので報告する.
 症例 は52歳女性で1980年右眼軽度内斜視指摘されたが放置1983年11月頃より両耳側視野欠損自覚し,視野狭窄が急に進行してきたため近医より紹介され,京都大学医学部付属病院を1984年4月13日に受診した.複視の自覚はなかった.

今月の話題

特発性網膜上膜

著者: 荻野誠周

ページ範囲:P.569 - P.574

 特発性網膜上膜は網膜内面上の膜形成症であり,セロファン黄斑症はその典型である.硝子体と網膜の界面での硝子体皮質の正常の反応から病的反応までを含んでおり,後部硝子体分離に際して起こる硝子体網膜牽引症候群とともに,硝子体網膜界面症候群(硝子体網膜界面黄斑症)をなす.

眼の組織・病理アトラス・8

前房隅角

著者: 猪俣孟 ,   田原昭彦

ページ範囲:P.644 - P.645

 前房は角膜,線維柱帯,虹彩,および水晶体によって囲まれた小腔をいい,眼房水で満たされている.前房隅角anterior chamber angleは角膜周辺部と虹彩根部が接触する部位で,虹彩角膜角irido-corneal angleとも呼ばれ,そこには眼房水の流出路として線維柱帯(小柱網)がある.
 毛様体で産生された眼房水は瞳孔領を通って前房に入り,前房隅角の線維柱帯から眼外に流出する.眼房水は,このように前眼部を循環することによって血管が存在しない水晶体や角膜を栄養し,代謝老廃物を除去する.

眼科医のための推計学入門・4

代表値の群間比較:パラメトリック検定

著者: 大野良之

ページ範囲:P.670 - P.673

代表値の群間比較検定法とその選択
 標本代表値(平均値・中央値)を群間比較する場合,標本測定値の観察特性と分布特性および測定値群の数によりいくつかの検定法がある.これを図1に示した.検定法の選択は,まず観察特性,すなわち標本測定値(データ)に対応があるか否かで大きく二つに分かれる."対応あり"とは,ある操作を加える前と加えた後(例えば手術前後や点眼前後)のように,同一標本についての異なる2時点の測定値が対(pair)として与えられている場合である."対応なし"とは,いくつかの独立標本について測定値が与えられている場合である.操作A,B,Cを別々に加えた3標本と無操作の標本のように,互いに独立した4標本がある場合である.
 この観察特性について,しばしば判断の誤りが見られる.例えば何人かの患者群について,ある操作を加える前の測定値の平均をコントロールとし,同一患者群に操作を加えた後のいくつかの時点での測定値の平均を比較する場合に見られる.この場合は同一患者群の操作前後の異なる時点でのデータ(測定値)が対(pair)として与えられている筈である.つまり"対応のある場合"に相当する.ところが同一患者群の対測定値をあたかも互いに独立した患者群についての測定値であるかのように誤解して,操作前後の平均値を通常のStudentのt検定で比較している場合がしばしば見られる.これは妥当でない.この場合は対測定値の差について,paired t検定を行うべき(正規分布するという前提のもとで)である.対測定値が変数変換後も正規分布しない場合には,paired t検定ではなく,ウイルコクソンの符号付順位和検定を行うことは図1の通りである.

最新海外文献情報

神経眼科,他

著者: 向野和雄

ページ範囲:P.626 - P.627

Peessin MS et al : Clinical features and mecha-nism of occipital infarction. Ann Neurol 21 : 290-299, 1987
 日常診療の中で同名半盲は比較的経験する症候であり,それが唯一の臨床症候であることが多く,眼科医の役割は大きい.
 本論文は老人社会になりますます増加すると思われる,後頭葉梗塞(後大脳動脈閉塞)の臨床像とそのメカニズムを明らかにしようとしたものである.35例の同名半盲を示し,CT scanで確認された多数症例を分析した.23例を脳血管撮影で確認し,TIAのまれなこと,発症時の症状が最も強いことから梗塞がその原因と考えられた.大変大切なことに約半数17例が半盲のみが唯一の神経学的症候であった.3例は重大な脳幹梗塞を示していた.これら35例をその発症機構から五つのグループに分類すると,1)心疾患(心房細動など)から10例,2)椎骨脳底動脈アテロームからの他の梗塞も伴ったもの6例,3)片頭痛5例,4)全身疾患で凝固亢進を伴ったもの3例,5)原因不明の梗塞11例と分けられた.その後治療によりその内26例(74%)はその他の発作はおこらず,3例が再発作,6例が死亡した.

文庫の窓から

眼目明辨

著者: 中泉行信 ,   中泉行史 ,   斉藤仁男

ページ範囲:P.674 - P.675

 宝永4年(1707)に元禄2年板「眼目明鑑」の改正板が刊行され,その19年後,享保11年(1726)に藤井見隆纂,長岡恭斎丹堂校正による「眼目精要」が出版されたが,日本人自身による眼科専門書の刊行は約1世紀の間休息状態であったようである.その後文化8年(1811)に至り衣関順菴父子による「眼目明辨」の初編が上梓された.もっともこの約1世紀の間には安永3年(1774)杉田玄白等の「解体新書」の飜訳,寛政10年(1798)宇田川榛斎の「泰西眼科全書」の飜訳などオランダ医学の目覚しい進行がみられ,また,馬島,三井,柚木流等々眼科諸流派の興隆も著しく,その家伝書,秘伝書などの類も数多く著わされた.
 かように漢方眼科を基範とした眼科諸流派の秘伝書などが大半を占める中に,解剖学を基盤にしたオランダ眼科が次第に採り入れられつつあった時代に刊行されたのが「眼目明辨」初編である.

臨床報告

網膜静脈閉塞症と緑内障との合併

著者: 山根淳志 ,   武市吉人 ,   南川美登里 ,   山岸和矢 ,   竹内正光 ,   川口藝洋 ,   三木弘彦

ページ範囲:P.677 - P.680

 網膜静脈閉塞症に緑内障は合併しやすいと欧米では報告されている.本邦では網膜静脈閉塞症にどの様な緑内障が合併し,どの様な特徴があるのかを最近2年間の当科の患者について調査した.
 網膜静脈閉塞症患者は367例あり,その28例に緑内障の合併を認め,網膜中心静脈閉塞症の17%,網膜静脈分枝閉塞症の6%に緑内障の合併を認めた.原発性開放隅角緑内障(POAG)が9眼,高眼圧症が3眼,網膜静脈閉塞症から緑内障が続発した新生血管緑内障が7眼,続発性閉塞隅角緑内障が4眼溶血性緑内障が2眼,硝子体出血に対する硝子体白内障手術後の緑内障が3眼あった.POAGは網膜静脈閉塞症の3.3%に合併を認め,逆にPOAGの2.8%に網膜静脈閉塞症の合併をみた.網膜静脈閉塞症の閉塞部位による発生頻度の違いを認めなかった.新生血管緑内障は網膜中心静脈閉塞症に13.2%と高率に続発し,発症後3〜6カ月に多く発生した.他にも色々な緑内障の合併を認め,いずれも治療開始が遅れると観血的手術療法を用いても眼圧の調整が難しいので,網膜静脈閉塞症と診断された患者については,常に緑内障の合併に留意しなければならない.

網膜色素変性症に網膜過誤腫を合併した1例

著者: 阿部俊明 ,   竹田洋介 ,   塩野貴 ,   玉井信

ページ範囲:P.681 - P.683

 網膜色素変性症の両眼底に桑実様腫瘤が存在する症例を経験した.右眼の腫瘤は乳頭に接していたが左眼では網膜上にあり,optic discdrusenというよりはastrocytic hamartomaと思われた.

網膜細胞腫retinocytomaの1症例

著者: 竹内正光 ,   高橋寛二 ,   宇山昌延 ,   山本起義 ,   楠部尚

ページ範囲:P.685 - P.688

 18歳男性の左眼の乳頭上方に3乳頭径大で,硝子体内へ半球状に隆起した黄白色の網膜腫瘍を認めた.臨床検査成績と経過から,臨床的に網膜細胞腫retinocytomaと思われた.現在まで6カ月間無治療で経過観察しているが所見に変化はない.網膜細胞腫は網膜芽細胞腫の良性型とされている.本腫瘍を紹介し,診断の本拠を述べた.

モデルエアーガンによる角膜障害

著者: 大久保裕史 ,   窪田俊樹 ,   瀬川雄三

ページ範囲:P.689 - P.692

 最近我々は所謂モデルエアーガンによって生じた特異な角膜外傷の1例に遭遇した.病変は中央にほぼ円形の健常部を残して,その周囲に輪状に角膜上皮の欠損を来し,隅角解離,前房出血などを生じていた.角膜病変は4日後には完全に治癒した.白色家兎眼および犬の摘出眼を用い,実験的にこの輪状角膜上皮欠損の形成機序について考察した.輪状病変の形成には射程距離,弾丸の衝突する方向,眼圧,眼球周囲構造などが関与し,角膜上皮のひずみと,ひずみを作り出す応力が重要と思われた.また輪状病変のうちでもその外側の境界部は,他の部に先行して最初に形成されると思われた.実験中は隅角解離,前房出血などの病変は生ぜず,動物眼が人眼に比して,衝撃に強いことが示された.

自動視野計オクトパスF−8®プログラムによる黄斑部閾値変動の解析

著者: 宮澤裕之 ,   田村忍 ,   溝上国義

ページ範囲:P.693 - P.697

 視神経炎および緑内障における黄斑部視機能を明らかにするため,自動視野計Octopus F-8®programを用いて中心3度内の黄斑部領域の,網膜感度閾値および閾値変動の検討を行った.視神経炎の急性期では障害部位がsieve-likeを呈する傾向を認めたのに対し,緑内障では欠損部がsteepに移行する傾向を認めた.視神経炎の回復過程において網膜感度の上昇とともに閾値変動の減少が観察されたが,視力および網膜感度が正常となった時点でも,病的に大きな閾値変動が残存していた.また黄斑部領域の網膜感度がすべて正常である症例群において,緑内障および視神経炎後の視神経萎縮では正常例に比し,有意に大きな閾値変動が認められた.
 黄斑部領域の障害形式の違いは両疾患の病因の差に基づくと考えられ,初期から中期緑内障においてすでに黄斑部視機能が障害されている可能性が示唆された.また視力および網膜感度が正常化した視神経炎症例においても,なんらかの視機能障害が残存していることが推測された.

スペキュラーマイクロスコピーによる眼内レンズ表面仕上げの検査

著者: 大原國俊 ,   清水昊幸

ページ範囲:P.699 - P.702

 スペキュラーマイクロスコープを用いて行う眼内レンズ表面仕上げの検査法とその結果を報告した.現在移植されている各メーカーの後房レンズには,一部を除いて,表面の汚れ,面精度不良,表面研磨痕や圧痕,光学部エッジ不整,ポジショニングホールの仕上げ不良などを示すものが多い.本結果は,メーカー側による品質管理徹底の必要性とともに,術者側もレンズ品質について十分注意する必要のあることを示した.

サイトメガロウイルスによる網膜炎の1例

著者: 小川葉子 ,   鴨下泉 ,   佐賀歌子 ,   北原光夫 ,   渡辺陽之輔 ,   倉田毅

ページ範囲:P.703 - P.707

 64歳男性に認められたサイトメガロウイルス性網膜炎(以下CMV性網膜炎と略す)の1例について報告した.症例は経中心静脈栄養中,カンジダ菌血症を発症した.経過中両眼底には,後極部に多発性の網膜白色混濁およびロート斑を認めた.白色混濁病巣は硝子体中へ進行し,内因性カンジダ眼内炎を強く疑っていた.死後,病理組織学的および免疫組織学的に検索したところ,CMV性網膜炎であることが確認された.免疫螢光抗体法により,他のherpes virus群やカンジダによる混合感染は否定的であった.臨床的に内因性カンジダ眼内炎が疑われる症例には,CMVの混合感染,あるいはCMV性網膜炎を鑑別診断として念頭におく必要があると思われた.

Group discussion

ぶどう膜炎

著者: 小暮美津子

ページ範囲:P.708 - P.709

 第14回ぶどう膜炎研究会が,秋晴れの11月22日(土)午後1時から4時まで,新高輪プリンスホテルの平安の間で行われた.
 当研究会は,原則として春秋の年2回開催し,秋の臨眼では一般から演題を募集することになっている.今回は先にローマで催された国際眼科学会で栄あるシンポジストに選ばれ,その大任を見事に果たされた北大・大野助教授に特別講演をお願いし,他に一般演題を募集した.応募演題は28題におよび,とても時間内には終りそうになかったので,各大学・各施設1題ずつ,計22題を採用した.それでも時間的に2題は発表の機会がなく,誠に申しわけないことをしたと,この席を借りて深く詫びする次第である.

地域予防眼科

著者: 小暮文雄

ページ範囲:P.711 - P.713

 本年の地域予防眼科の活動は,1月のWHO本部の訪問と国際失明予防活動の研修に始まり,6月には研修結果を踏まえた国内の地域眼科医療の検討会を2日間に渡り独協大学の研修所で開催した.
 GDの演題募集は特に本年はテーマをしぼらず,自由演題の募集を初めて行った.

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原著論文の書き方について

ページ範囲:P.714 - P.714

 論文を書く上で一番大切なことは,何故この論文を書くに至ったのかという理由がはっきり示されることと,この研究によって新しくわかった知識は何であるかということを,はっきりと示すことであろうと思います.
 以下,具体的に順を追って述べてみたいと思います.

基本情報

臨床眼科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1308

印刷版ISSN 0370-5579

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