icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻6号

1987年06月発行

文献概要

特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (3) 学会原著

CO2レーザーによる眼内凝固

著者: 芳賀照行1 千代田和正1 原和彦1 野寄喜美春1

所属機関: 1埼玉医科大学眼科

ページ範囲:P.603 - P.606

文献購入ページに移動
 硝子体手術において新生血管線維組織の処置は重要な操作である.現在,凝固手段として主にジアテルミーが使用されているが,止血効果が不確実であること,視神経への障害などの問題点がある.我々はこれまでCO2レーザーによる眼内凝固について動物実験を行い,止血効果が確実であること,また周囲組織への障害が極めて少ないことを確認した.これらの結果をもとにして臨床応用を行った.
 糖尿病性網膜症7例,網膜静脈閉塞症1例,脈絡膜新生血管1例,脳外傷に併発した硝子体出血1例,合計10例の硝子体手術に応用した.Parsplana vitrectomyの際,直径1mmのCO2レーザーのファイバーを挿入し,新生血管線維束にチップ先端を接触させて凝固を施行した.全例で確実に血管が閉塞し,また網膜裂孔などの合併症も生じなかった.
 これらの結果からCO2レーザー眼内凝固は硝子体中の新生血管線維束の止血に臨床上有用と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら