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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻6号

1987年06月発行

文献概要

特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (3) 学会原著

癩患者の白内障手術 癩眼合併症と術後視力

著者: 井上慎三1 松村香代子2 鈴木秀樹3

所属機関: 1国立善通寺病院眼科 2国立療養所香川小児病院眼科 3国立埼玉病院眼科

ページ範囲:P.615 - P.618

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 1974年12月から1982年10月までに全国8療養所の癩患者を3カ所の療養所において,行った水晶体全摘出術は300名376眼(癩腫型361眼,類結核型およびその他15眼)であった.これらの眼に見られた癩眼合併症と手術後視力の改善率を検討した.
(1)手術眼に50%以上みられた合併症は兎眼(68%),角膜実質混濁(55%),縮瞳(84%),過去に虹彩炎(ぶどう膜炎)の既往歴のある眼(78%),虹彩後癒着(68%)である.
(2)兎眼があると手術後の視力の改善率は有意の差(P<0.10)でない眼より悪い.
(3)角膜実質混濁,角膜血管侵入,角膜上皮変化,虹彩前癒着,緑内障の癩眼合併症を有する眼では,有意の差(P<0.01)で手術後の視力の改善率が悪い.
(4)過去に虹彩炎のあった眼は,ありに有意の差(P<0.10)で手術後の視力の改善率が良い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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