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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻6号

1987年06月発行

文献概要

特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (3) 学会原著

細菌(真菌)性角膜炎の最近7年間の統計

著者: 杉田美由紀1 田中直彦1 磯部裕1 平原敦子1 三井啓司1

所属機関: 1横浜市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.629 - P.633

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 最近7年間(1979-1985)に当科で経験した細菌(真菌)性角膜炎152例,153眼の症例について統計的観察を行った.症例の年齢は50歳代,60歳代および70歳代の順に多く,平均は50.1歳であった.誘因は角膜異物31眼が最も多かったが,この他にコンタクトレンズ装用17眼(SCL12眼,HCL5眼),内眼手術の既往13眼,ステロイド点眼8眼も多くを占め,誘因の複雑化が明らかとされた.症例のうち初診時すでに抗生物質治療をうけていたものは125眼(81%)であった.培養で菌を検出しえたものは153眼中60眼(39%)であった.検出菌はStaphylococcus epidermidisが最も多く33眼であった.次いでStaphlococcusaureus13眼,Pseudomonas aeruginosa9眼,Streptococcus Pneumoniae7眼,真菌は1眼であった.菌検出例60眼のうち起炎菌を推定したものが36眼であった.角膜潰瘍からのPs aer-uginosaの検出率は最近低下してきている傾向を示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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