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特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (3) 学会原著
角膜移植提供眼の細菌汚染について
著者: 岡本繁1 松崎裕子1 植栗一恵1
所属機関: 1臨床眼科研究所
ページ範囲:P.634 - P.639
文献購入ページに移動(1)スリランカ提供眼156眼は抗生剤を添加しない保存液に全眼球として保存されていたが,約70%の眼球に細菌汚染がみられた.
(2)国内提供眼28眼は主として強角膜片として,Mezlocillin (MZPC)を添加した保存液に保存されていたが約18%に細菌汚染がみられた.
(3)米国眼20眼はGMを添加したMcCarey-Kaufman液(M-K液)に強角膜片として保存されていたが,菌は全く検出されなかった.
(4)総検出菌株数は492株でうち44株が真菌であった.内訳はCoagulase (-)ぶどう球菌が17.5%,ぶどう糖非醗酵グラム陰性桿菌が34.6%を占めた.
(5)薬剤感受性検査の結果はPCG,SM,MZPCは不良で,Amikacin (AMK),GM,Minocycline(MINO)の成績がよかった.GMは米国の大多数のアイバンクで添加されている100μg/ml前後の濃度を考慮すると大多数の検出菌に対して感受性があり,現時点では眼球保存液に添加するのに適当な抗生剤と考えられた。
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