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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻6号

1987年06月発行

臨床報告

網膜静脈閉塞症と緑内障との合併

著者: 山根淳志1 武市吉人1 南川美登里1 山岸和矢1 竹内正光1 川口藝洋1 三木弘彦1

所属機関: 1関西医科大学

ページ範囲:P.677 - P.680

文献概要

 網膜静脈閉塞症に緑内障は合併しやすいと欧米では報告されている.本邦では網膜静脈閉塞症にどの様な緑内障が合併し,どの様な特徴があるのかを最近2年間の当科の患者について調査した.
 網膜静脈閉塞症患者は367例あり,その28例に緑内障の合併を認め,網膜中心静脈閉塞症の17%,網膜静脈分枝閉塞症の6%に緑内障の合併を認めた.原発性開放隅角緑内障(POAG)が9眼,高眼圧症が3眼,網膜静脈閉塞症から緑内障が続発した新生血管緑内障が7眼,続発性閉塞隅角緑内障が4眼溶血性緑内障が2眼,硝子体出血に対する硝子体白内障手術後の緑内障が3眼あった.POAGは網膜静脈閉塞症の3.3%に合併を認め,逆にPOAGの2.8%に網膜静脈閉塞症の合併をみた.網膜静脈閉塞症の閉塞部位による発生頻度の違いを認めなかった.新生血管緑内障は網膜中心静脈閉塞症に13.2%と高率に続発し,発症後3〜6カ月に多く発生した.他にも色々な緑内障の合併を認め,いずれも治療開始が遅れると観血的手術療法を用いても眼圧の調整が難しいので,網膜静脈閉塞症と診断された患者については,常に緑内障の合併に留意しなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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