icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻6号

1987年06月発行

文献概要

臨床報告

サイトメガロウイルスによる網膜炎の1例

著者: 小川葉子1 鴨下泉1 佐賀歌子1 北原光夫2 渡辺陽之輔3 倉田毅4

所属機関: 1東京都済生会中央病院眼科 2東京都済生会中央病院内科 3慶応義塾大学医学部病理学教室 4国立予防衛生研究所病理部

ページ範囲:P.703 - P.707

文献購入ページに移動
 64歳男性に認められたサイトメガロウイルス性網膜炎(以下CMV性網膜炎と略す)の1例について報告した.症例は経中心静脈栄養中,カンジダ菌血症を発症した.経過中両眼底には,後極部に多発性の網膜白色混濁およびロート斑を認めた.白色混濁病巣は硝子体中へ進行し,内因性カンジダ眼内炎を強く疑っていた.死後,病理組織学的および免疫組織学的に検索したところ,CMV性網膜炎であることが確認された.免疫螢光抗体法により,他のherpes virus群やカンジダによる混合感染は否定的であった.臨床的に内因性カンジダ眼内炎が疑われる症例には,CMVの混合感染,あるいはCMV性網膜炎を鑑別診断として念頭におく必要があると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?