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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻7号

1987年07月発行

文献概要

特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (4) 学会原著

小児白血病の眼症状について

著者: 大越貴志子1 石田誠夫1 神吉和男1 田中稔2

所属機関: 1聖路加国際病院眼科 2順天堂浦安病院眼科

ページ範囲:P.737 - P.740

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 1972年1月より1986年6月までに聖路加国際病院に入院した小児白血病患者100名中眼科を受診した50名(男28名,女22名,1カ月〜17歳)について眼科的検査を行い,眼症状を4種類に分類し調査検討した.眼症状は33名(66%)に認められた.(1)白血病細胞の眼組織浸潤による眼症状9名(18%);視神経浸潤4名,ぶどう膜浸潤4名,眼窩浸潤1名.(2)造血障害,白血球増多による眼症状12名(24%);白血病性網膜症10名,結膜下出血2名.(3)中枢神経白血病の部分症としての眼症状14名(28%);脳神経麻痺症状が多く,顔面神経麻痺が,最も多かった.(4)その他白血病に付随する眼症状14名(28%);眼感染症5名,白血病治療薬の副作用による眼症状10名であった.死後摘出した眼球10眼(5例)すべてに白血病細胞浸潤を認めた.(1)〜(3)の眼症状を認めた患者の88%は眼症状出現より14カ月以内に死亡している.米国での過去の報告と比較して眼症状は増加している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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