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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻7号

1987年07月発行

文献概要

特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (4) 学会原著

日本と台湾におけるコクサッキーウイルスA24型による急性出血性結膜炎の流行

著者: 青木功喜1 沢田春美2 石川秀夫3 下地輝子4 鎌田龍二5 陳振武6 黄文龍6 許明木6 林貴香6

所属機関: 1青木眼科 2北海道立衛生研究所 3石川眼科 4沖縄県立宮古病院眼科 5山鹿市立病院眼科 6高雄医学院

ページ範囲:P.755 - P.758

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 1985年7月からわが国と台湾において,急性出血性結膜炎(AHC)が流行した.病因検索の結果は沖縄で発生したAHCはコクサッキーウイルスA24型変異株(CA24')とエンテロウイルス70(EV70)によって発病しており,台湾ではCA24'が主体であった.CA24'は病日までに76%がHeLa細胞で分離され,中和抗体価の上昇も見られた.CA24'によるAHCの臨床像は結膜下出血(42%)が主体で,EV70によるAHCに似ていたが,小学校低学年の患者が多いことが異なっていた.沖縄,札幌および熊本における健康人のEV70とCA24'の中和抗体陽性率を検索すると,沖縄では各々42/231(18.2%),28/231(12%),札幌では11/75(15.3%),3/75(4%),熊本では1/62(1.6%),3/63(4.8%)であった.今後この二つのウイルスによって起こるAHCは眼感染サーベイランス上注意しておく必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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