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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻7号

1987年07月発行

文献概要

特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (4) 学会原著

地域住民を対象とした白内障の疫学的調査

著者: 佐々木一之1 狩野宏成1 滝沢淳子1 小島正美1 坂本保夫1 河野俊一2 河野光子3

所属機関: 1金沢医科大学眼科学教室 2金沢医科大学公衆衛生学教室 3石川県羽咋保健所

ページ範囲:P.763 - P.767

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 都市近郊型に属する一定地域の40歳以上の住民1,020名を対象に、構成人口基盤による白内障の疫学的検索を行った.水晶体の混濁の状況は,散瞳下に細隙灯で観察した所見と,スリット像,および徹照像の撮影画像から総合的に判定した.白内障の程度は,初期変化を含めたもの,初発白内障がはじまったもの,明らかに進行をはじめた白内障の3段階に分類した.混濁の形態は,皮質,核,嚢下皮質,これらの混合型,およびその他に分類した.初期白内障性変化を含めた有所見率は,40代で33.9%,50代62.8%,60代76.2%,70代84%,80代100%であった.明らかな白内障を呈していたものは,40代で1.6%,50代3.1%,60代19.0%,70代28.6%,80代57.1%であった.60歳代までは皮質混濁単独のものが主体であったが,70歳代からは,核部,おもび後嚢下混濁を伴うものが増加した.核部のみの混濁は70代になり増えていた.赤道部皮質の混濁は初期には21%が下方に,13%が全周から出現した.50代以降では下方の混濁が上方に比べ有意に高くなっていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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