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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻7号

1987年07月発行

文献概要

連載 眼の組織・病理アトラス・9

上皮細胞

著者: 岩崎雅行1 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学

ページ範囲:P.810 - P.811

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 眼を構成する主要組織は,上皮細胞が主体をなしている.網膜,水晶体,腺,角膜,結膜,虹彩,毛様体などがそれである.これらの組織の微細構造を理解するには,上皮細胞の基本構造を知っておくことが必要である.上皮細胞の特徴は極性があることであり,細胞の特定の部位に特定の構造が存在する(図1).これは,吸収,分泌,輸送,排出,保護,感覚受容などの上皮の機能と密接な関係がある.
 体表に面している側の先端面(自由表面)には,線毛や微絨毛が存在する.線毛は直径約200nmの比較的長い突起で,表面は細胞膜に包まれ,内部には微細管の骨格をもつ.線毛には運動に関与する運動線毛,感覚に関与する感覚線毛などが知られている.微絨毛は,直径80〜90nmの比較的短い突起で,細胞膜に包まれ,内部に数本の細糸が見られる.微絨毛は自由表面の面積を増大させることによって上皮の吸収機能の効率を高めると考えられている.感覚性の微絨毛も知られている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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