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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻8号

1987年08月発行

文献概要

特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (5) 学会原著

毛様体悪性黒色腫に伴うmelanomalytic glaucoma

著者: 浜口博史1 宇治幸隆1 小林雄二1 伊藤貴司1 横山実1

所属機関: 1三重大学医学部眼科

ページ範囲:P.907 - P.910

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 今回我々は毛様体悪性黒色腫に緑内障を合併した症例に遭遇した.症例は33歳女性で,左眼視力低下および視野狭窄を訴え来院した.左視力0.8,左眼圧45mmHg.左眼5時方向の毛様体に6×4×3mm大の腫瘤が認められた.左眼隅角には黒色の色素沈着が認められた.組織学的には腫瘤は,一部類上皮細胞が散在する紡錐型細胞が主である壊死性変化の強いmixed typeの悪性黒色腫であった.また,隅角はメラニンを貪食した多数のマクロファージで閉塞され,これが眼圧上昇の原因と推察された.1970年Yanoffが毛様体悪性黒色腫に緑内障を合併した症例を報告し,これをmelanomalytic glaucomaと称した.今回の我々の症例は,まさにmelanomalytic glaucomaと称するにふさわしい症例で,本邦において初めてと思われるためここに報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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