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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻8号

1987年08月発行

文献概要

特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (5) 学会原著

網膜有髄神経線維が消失したシンナー中毒視神経症

著者: 益田徹1 木村徹1 木村亘1 永岡尚志1

所属機関: 1木村眼科内科病院

ページ範囲:P.911 - P.914

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 シンナー中毒による視神経症に,網膜有髄神経線維の消失が認められた1例を報告した.この観察から,本中毒視神経症で二次的に「脱髄」が起こることが確認され,本態は軸索流障害であることが推測された.
 症例 は26歳男性で,7年間のシンナー吸引歴があり,両眼の急激な視力低下のため受診した.初診時右視力は手動弁,左視力は30cm指数弁で,両眼底には乳頭周囲に網膜有髄神経線維と考えられる羽毛様白色混濁を認めた.治療により,視力・視野が著しく改善していくとともに,網膜有髄神経線維はしだいに消失し,同時に視神経乳頭は単性萎縮に至った.
 また,本症例に軽度の髄膜炎が認められたこと,ステロイド剤投与が著効したことはこれまでの報告にない点である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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