icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科41巻8号

1987年08月発行

文献概要

特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (5) 学会原著

アスピリン静注剤の前眼部炎症に対する有効性

著者: 平光忠久1 永田豊文1 新田千賀子1 三浦嘉久1

所属機関: 1浜松医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.915 - P.919

文献購入ページに移動
 新しく開発された水溶性のアスピリン静注剤の全身および局所投与が,プロスタグランジン関与性の前房穿刺および虹彩レーザー照射による房水タンパク量の増加を,ほぼ完全に抑制できたという実験結果から,今回はこのアスピリン静注剤の強力な抗炎症作用に注目して,疼痛および球結膜充血を伴う前眼部炎症に対してその治療効果を調べた.対象は春季カタルの急性発作2例,化学外傷2例,上強膜炎8例である.全ての症例で静注1時間で疼痛,不快感の消退があり.ほとんどの症例で球結膜側の充血の軽減,もしくは消退が明らかに認められた.継続して投与したものでは短期間で治療目的が達せられた.その効果は一時的なものでなく持続的であり,アスピリン静注剤のこれら前眼部炎症に対する治療効果は劇的なものであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?